ふるさと納税の控除と医療費用による控除については、一緒に申告可能です。
ただし、ふるさと納税の控除と医療費用に関する控除の申告を実施する場合、ふるさと納税の控除の限度額が下がります。
そのため、医療費の控除も合わせた自分の寄付可能な金額を知っておくことで、損することなく、ふるさと納税の控除と医療費用についての控除の申告が行えるでしょう。
本記事では、医療費に関する控除の申告を実施する際のポイントや方法について、分かりやすく解説します。
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医療費控除とは?医療費控除を申告するときの7つのポイント

医療費における控除は、一定の基準を超えた医療費を支払った際、所得税や住民税の控除を受けることが可能な制度です。
医療費に関する控除の申告を実施する際の7つのポイントを紹介します。
「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」のどちらかを申告できる
医療費による控除ではなく、特例で「セルフメディケーション税制」の適用も受けられます。
ただし、医療費用における控除とセルフメディケーション税制の2つ合わせての適用はできません。
以下の表を参考に、どちらを申告するか決めてみてください。
| 種類 | 医療費控除 | セルフメディケーション税制 |
| 控除の対象の金額を出す計算式 | 【所得金額200万円以上のケース】 (その年に支払った医療費-医療費による補てん金額)-10万円 【所得金額200万円未満のケース】 (その年に支払った医療費-医療費による補てん金額)-所得金額の5% | {(支払った特定一般用医薬品等購入費の合計額)-(保険金などで補てんされる金額)}-1万2,000円=控除額(最高8万8,000円) |
| 特徴 | その年(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定の金額以上の際、医療費の一部を所得金額から控除可能です。 控除額の上限は、200万円です。 「医療費による補填金額」は、たとえば、健康保険で支給される出産育児の一時金や、高額な療養費などがあります。 いくら控除されるかについては、個人の所得金額により異なり、「その年の所得金額が200万円以上か未満かどうか」が、ひとつの目安となります。 | 医療費による控除の特例で、対象の「OTC医薬品」の購入費用が、1年間に1万2,000円以上となった際、1万2,000円を超えた金額が8万8,000円を限度として、所得控除を受けられます。 OTC医薬品とは、薬局やドラッグストアなどで処方箋無しで購入できる医薬品です。 対象となるのは、自治体の特定健康診査や、予防接種を打つなどの健康管理に取り組んでいる人です。 |
医療費控除の基準は治療を目的とした費用かどうか
医療費における控除の基準は、治療や診療を目的とした医療費用であるかどうかです。
たとえば、病院や歯科医院での診療費、通院代などは控除の対象です。
一方、美容や予防接種などは、医療費における控除の対象に該当しません。
しかし、医師側が治療の目的であると判断したものに関しては、医療費における控除が認可されるケースもあります。
医療費に含むもの・含まないものの具体例
以下の表より、主な控除の対象に含まれる医療の費用と、主な控除の対象に含まれない医療の費用を紹介しています。
医療費における控除の参考にしてみてください。
| 例)医療費に含む | 例)医療費に含まないもの |
| 医師や歯科医師など病院へ支払った治療費または処方箋代 治療のために購入した市販薬の代金 食費を含んだ入院代 妊娠中における定期検診や検査の費用 不妊治療に関する費用 | サプリメント代(ビタミン剤) リラクゼーションを目的としたマッサージ費用 異常が見つからなかったケースの人間ドックや健康診断の費用(異常が見つかり治療を行った場合は、医療費用における控除の対象となる) 予防接種代 美容整形の費用 |
主な医療の費用に含まないものに、人間ドックや健康診断の費用、予防接種代がありますが、セルフメディケーション税制の疾病予防における取り組みの対象となります。
セルフメディケーション税制を活用する可能性がある際は、領収書や受信結果などを保管しておきましょう。
所得控除のため医療費控除が少ないと感じやすい
医療費による控除が少ないと感じやすいのは、所得控除のためです。
たとえば、住宅ローン控除の「税額控除」は、控除額が税金から丸々差し引かれます。
一方、「所得控除」の場合は、税金を計算する前の所得の金額から控除が差し引かれます。
計算後の減税額は、控除額に税率をかけたものとなり、税率20%の場合なら控除額の5分の1しか還付されません。
そのため、医療費による控除が少ないと感じやすいのです。
領収書は5年間保管が必要
医療費における領収書は、5年間保管しておきましょう。
医療費による控除の明細書にある記載内容を確認するため、税務署から医療費に関する領収書を提出、または提示を求められるケースがあります。
そのため、確定申告の期限等の翌日から5年間は、領収書は大切に保管しておくとよいでしょう。
年内に支払いした医療費が医療費控除の対象
医療費による控除の対象は、1月1日~12月31日までの年内に支払いをしたものに限られます。
そのため、その年中に治療が終わっている場合でも、未払いの医療費である際は、その年の医療費の控除対象に該当しません。
申告する際は、支払いを済ませているかどうかよく確認して行いましょう。
医療費控除は確定申告で申告が必要
医療費における控除については、確定申告を行ってください。
控除の対象となる場合、確定申告を実施することで還付金が受け取れます。
医療費における控除の明細書は、税務署または医療費控除の明細書|国税庁よりダウンロード可能です。
作成した確定申告書と医療費における控除の明細書については、確定申告の期限である3月15日までに税務署に提出しましょう。
ふるさと納税の限度額内であれば医療費控除とあわせて申告できる!

ふるさと納税における限度額内の場合、医療費における控除とあわせて申告できます。
ただし、併用するとワンストップ特例が利用できなくなるため、注意しましょう。
ワンストップ特例は、確定申告せずに寄付金を控除できるものですが、医療費における控除は確定申告で実施します。
確定申告すると、ワンストップ特例が適用されなくなります。
また、医療費による控除を受けることで、ふるさと納税における控除による限度額が減少するでしょう。
支払う所得税が低いほど、ふるさと納税における控除の限度額も低くなるためです。
ふるさと納税の限度額を超えて寄付した分は控除対象外となり、自己負担となってしまうため、併用する際はシミュレーションしておくことが大切です。
医療費控除とふるさと納税の控除申告するときはシミュレーションで金額を確認しよう!

医療費用に関する控除とふるさと納税における控除を申告する際は、シミュレーションを使って金額を確認することをおすすめします。
ふるさと本舗では、ふるさと納税以外にも医療費における控除がある人を対象とした「詳細版」から、自分の寄付できる金額を調べられます。
医療費における控除と合わせてふるさと納税における控除の申告を考えている人は、ぜひ活用してみてください。
ワンストップ特例申請をしてしまった場合はどうすればいい?

医療費における控除を受けたいけれどワンストップ特例を申し込んだ際は、確定申告を実施しましょう。
申請済みの場合でも、ワンストップ特例のキャンセル手続きは不要です。
確定申告で申告する
ワンストップ特例の申し込みをしたけれど、医療の費用による控除を受けたい場合は、そのまま確定申告を実施しましょう。
確定申告することで、自動的に無効となるため、ワンストップ特例の取消手続きを行う必要はありません。
ただし、ワンストップ特例に申し込み済みのものも含めて、すべて確定申告し直すのを忘れないように注意しましょう。
確定申告について詳しく知りたい方は「2024年ふるさと納税|確定申告はいつまでにすればいい?確定申告のポイントも解説!」をご覧ください。
ワンストップ特例制度のキャンセル手続きは不要
ワンストップ特例制度は、途中キャンセルによる場合でも手続きは不要です。
確定申告を行うと、申請済みのワンストップ特例が自動的にすべて無効になるためです。
そのため、そのまま確定申告を実施してください。
確定申告で医療費控除とふるさと納税の控除を申告する方法

確定申告により、医療費用における控除とふるさと納税における控除を申告する方法は、以下のとおりです。
- 確定申告の期日を税務署に確認する
- 必要なものを用意する
- 確定申告書をつくる
- 必要な書類やデータを提出する
順番に見ていきましょう。
確定申告の期日を税務署に確認する
まず確定申告の期日を税務署に確認してください。
確定申告の期限は、原則3月15日までですが、申告期限の変更の可能性もあるためです。
過去には、新型コロナウイルス感染症の影響で、期限の延期が行われるケースが実際にありました。
そのため、申告期限の変更もある可能性を踏まえて、税務署に直接確認をとっておくと安心といえます。
必要なものを用意する
確定申告の期日を確認したあとは、それぞれ必要なものを用意しましょう。
次の表を参考にしてみてください。
| 医療費における控除に必要なもの | ふるさと納税における控除に必要なもの |
| 源泉徴収票 医療費通知(1年間の医療費の合計額が記載されている) 医療費や交通費の領収書 医療費控除の明細書(申請者が医療費通知や医療費の領収書をもとに作成する) | 寄附金受領証明書 源泉徴収票 還付金受け取り用の銀行口座番号 本人確認書類(マイナンバーカード、またはマイナンバー通知カード+身元確認書類) |
確定申告書をつくる
必要書類が用意できたら、確定申告書を作成します。
確定申告書は、国税庁のホームページから作成可能です。
また、税務署で受け取ることも可能です。
確定申告書には、第一表、第二表があります。
寄付金による控除をする際は、第一表㉘の「寄附金控除」の欄と、第二表「寄附金控除に関する事項」㉘の欄の部分に書きます。
医療費による控除を行う場合は、第一表㉗の「医療費控除」の欄に記載しましょう。
記載場所が分からない方は、申告書の書き方|令和5年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き|国税庁の手引きを確認しながら行ってみてください。
必要な書類やデータを提出する
確定申告書の作成が終わったあとは、必要書類やデータを提出します。
確定申告書の提出方法は、以下の3通りです。
- 税務署に行って提出する
- 郵便局や郵便ポストで提出する
- e-Taxで提出する
提出する確定申告書に不安がある人は、直接税務署に行って提出するとよいでしょう。
担当者に書類の不備を確認してもらえます。
手書きの書類の場合は、郵便ポストに投函するだけで提出が完了する、郵送の提出方法もありますね。
また、自宅にいながら手軽にオンラインで申告できるe-Taxを利用した提出方法もあります。
場所や時間に縛られずに申告できたり、必要な書類を省けたりと大変便利なため、気になった方はぜひチェックしてみてください。
確定申告の必要書類について詳しく知りたい方は「ふるさと納税|確定申告の必要書類や準備しておきたいものは?確定申告が必要な場合についても分かりやすく解説!」をご覧ください。
医療費控除とふるさと納税の控除申告するときは所得税と住民税が控除(還付)される
医療費とふるさと納税に関する控除の申告を行う際は、所得税と住民税が控除(還付)されます。
ただし、医療の費用とふるさと納税における控除の対象は、どちらも所得税と住民税が対象です。
そのため、控除がフルに適用されない可能性もあります。
ふるさと納税における控除の上限額にも影響を及ぼしてしまうため、あらかじめシミュレーションを行っておくとよいでしょう。
医療費控除があってもふるさと納税の控除はできる!

医療費用における控除がある場合でも、ふるさと納税に関する控除は申告可能です。
医療の費用には、控除の対象に該当しないものもあるため、申告する際は、控除対象の医療費用かどうかよく確認しておきましょう。
また、ふるさと納税と医療費用における控除は併用可能ですが、それによりふるさと納税に関する控除限度額が下がります。
併用した際でも、控除による限度額内の場合は損をすることはありませんが、控除の上限を超えた場合は自己負担となります。
そのため、シミュレーションで自分の寄付できる金額を把握しておくことが大切です。

